中小企業の資金繰り ~その2~
こんにちは。マークjrです。
前回は比較的安心感のある資金繰りをご紹介しました(前回はこちら)。今回はその続きです。
ここから少しクセのある資金繰りが登場します。
4.家族、親戚、知人
緊急度:高 安心度:高 金利:低 難易度:高 クセポイント:知り合いにバレる
相手にお金の用意があれば即日、翌日に対応できるのがメリットです。
ただし、言わずもがな、その人との信頼関係がものを言います。普段からキチンとしたお付き合いをしておく必要がありますね。
デメリットと言いますか、気を付けるべきポイントがいくつかあります。
- 借用書を必ず作ること
- 金利をつけること・・・利息がないと贈与扱いにされることもあるので
- 他の親戚、知人に知られる可能性があること
- 金銭トラブルのもとになること
貸す側も大事な自分の資産を出すので、慎重に検討すべきです。気を付ける点はこちらでご紹介しています。
5.リースバック
緊急度:中 安心度:中 金利:中~高 難易度:中~高 クセポイント:期待していたほどの現金が手に入らない可能性が高い
セールス アンド リースバックとも言います。多くのリース会社がやっていて、車両などを買い取り、その車両をそのままリースとして貸し出す方法です。
車両やパソコン、コピー機、什器など中古でも価値が残るものであれば対応してくれます。(古すぎるとダメですが)
リースになりますので、金利換算では5%程度になりますし、期間満了後はリース会社に返却するか、再リースか、残価買い取りとなります。
欠点としては、期待していたほどの金額つかない可能性があることです。その理由は、リース会社の立場に立ってみるとわかります。
仮にリースバックした会社が翌日に倒産した場合、リースバックした資産はリース会社がどこかに売却することで融資額を回収しますが、その中古市場価値の算定を見誤ると大損害が発生します。
なのでリース会社は中古市場価値よりも少し低い金額でしか評価することができず、経営者が期待していたほどの金額がつかない可能性が高いのです。
また審査がありますので少し時間がかかることと、決算書の内容次第では受け付けてくれない可能性もあります。
ちなみに、リースを使って真水を作るウルトラCもありますが、危険すぎてここではご紹介できません。。。(途中まで書いてて怖くなりましたwww)
6.証券担保ローン
緊急度:高 安心度:高 金利:低 難易度:高 クセポイント:株が値下がりすると没収される
資金繰りで調べても意外と触れられていませんが、債券や株などの有価証券を担保にしたローンです。証券会社などでやっています。
融資額は担保となる有価証券の種類で「掛目」が決まっています。国内株式なら評価額の50%程度、国債なら評価額の80%程度を融資してくれます。返済は自由で、金利は1.5%~5%程度です。
株なので、担保そのものの価値の変動が大きく、株が大きく値下がりすると強制的に売却されて没収される可能性があります。売買や入出金もできますが、借入額より担保価値が低くなるような出金や売買はできません。
もちろん証券会社で取り扱える銘柄、商品が対象ですので、未上場株式や私募債などは対象外です。
証券会社時代にも知っていたのに、営業に活用できなかったのがもったいない。。。
7.不動産担保ローン
緊急度:中 安心度:低~中 金利:中 難易度:高 クセポイント:担保評価が厳しい上に、まぁまぁ金利取られる
その名の通り、不動産を担保にした融資です。融資額、期間、金利は担保価値に大きく依存します。担保価値は物件のそのものの価値も重要ですが、流動性も大切です。
いくら広い土地であっても、誰も買ってくれない土地には融資してくれません。地方の場合は、県庁所在地の街中の物件でなければ難しいです。
逆に100万人都市の街中であれば喜んで融資してくれます。その都市の郊外の住宅も可能性はあります。
銀行系のファイナンス会社のみならず、オリックスやアサックスなどの上場企業から地場の金融屋まで多くの会社がやっています。中には貸金業の許可なくやっているところもありますので、必ずチェックしないと後で痛い目にあいます。
また住宅ローンが残っている物件でも対応してくれる場合があるようですが、半分ほどは返済されていないと対応できないようです。
なお、銀行でも不動産を担保にした融資はありますが審査基準が異なります。金融業者の不動産担保ローンは資金使途が自由ですので、事業計画までは聞いてきません。
その代わり、金利が高いです。抵当権などの登記などがあるため、手数料もとられます。
【参考記事】
8.ビジネスローン
緊急度:高 安心度:中 金利:高 難易度:中 クセポイント:とにかく金利が高い!!
金融業者が無担保で貸してくれる融資です。書類関係が順調に揃えば初回連絡から1週間以内に融資実行がされます。気を付けなければいけないのは、初回取引では50万円程度しか融資されないことです。
そして金利が15%~18%と、かなりの高金利であることです。次に紹介するクレジットカードのキャッシングと条件面は似ていますが、唯一のメリットは金利分が損金計上できることです。(法人のカードローンも損金計上可能)
私も借りていますが、ブラックリストになければ通りやすいと言えます。こちらも貸金業登録のチェックは必須です。
なお、きちんと返済をしていると追加の融資にも応じてくれますし、上客には300万円程度の極度額(設定額の範囲内で出し入れ自由な融資)を設定してくれることもあります。
また信用情報にも借入ありとして残りますので銀行借入などに影響が出る可能性があります(ブラックではありません)。
【参考記事】
資金繰り、まだまだあります。その3ではさらにディープになっていきます。。。
-
前の記事
中小企業の資金繰り ~その1~ 2020.05.19
-
次の記事
中小企業の資金繰り ~その3~ 2020.05.19
コメントを書く