中小企業の資金繰り ~その1~
こんにちは。マークjrです。
資金繰り。
ご存じの通り、社長にとって一番重要な仕事です。私も毎月これと戦ってます。マジで眠れないですよね。
しかも、事の性質上、取引先や社員に相談できないのはもちろんのこと、経営者仲間や家族にも話しにくいことですよね。
私も色々な手段を使ってますが、お客さんから教えてもらったこともありますので、お伝えできたらと思います。
なお、増資や新株予約権、社債、劣後債など成長過程での資金調達については別の機会にご紹介するとして、今回は緊急避難的に使える資金繰りについてです。
今回から数回に分けて、メジャーな方法から最終手段、そして手を付けてはいけない方法まで、検討すべき順にご案内します。調達の際のコツもお伝えします。
1.銀行融資
緊急度:低 安心度:高 金利:低 難易度:高
銀行関連では「返済猶予」という方法も資金繰りの方法の一つですが、検討すべき順番が後なので後述します。
最もメジャーで最初に検討すべき資金調達方法です。
もちろんですが、審査等々で時間を要しますので、ある程度予測をして早めに金融機関に相談をする必要があります。最低2週間、できれば1ヶ月は見ておきたいところです。
その為にも、資金繰り表を日頃から管理しておくことが必要です。私は細かい資金繰りは基本3ヶ月先まで作ってます。
また、長期的な資金繰りについても、現状の業績の傾向(伸びてるのか、失速してるのか、横ばいなのか)を維持できると仮定してとりあえず、3年先まで確認しています。もはや中期経営計画です。
ですが、難易度は高めです。
なぜなら、「資金繰りが厳しい=利益が出てない=大丈夫か?この会社?」となり、逆にリスクありと見なされてしまう可能性があるからです。
よって、以下のポイントに合致する会社さんであれば、銀行に相談しても良いと思います。
- 毎月(毎年)利益は出ているが、急な出費が発生した・・・機械の故障など
- 固定費を下げれば利益が出る・・・役員報酬を下げれば利益が出るなど
- 変動費を下げれば利益が出る・・・材料の見直し、仕入れ値の交渉など
- 借入利息が下がれば利益が出る・・・低金利に借り換えなど
- 売上と利益を上げられるプランがある・・・研究開発など。難易度MAX。
いずれも共通しているのは「利益が出ているかどうか」です。
これまでよかったけど赤字に転落したなどであれば、事業計画書次第で借りられますが、常時赤字の会社には貸してくれません。
銀行も返済の見込みがないところには貸してくれません。ボランティアではないので。
しかし、諦めることなかれ!!銀行はダメでも銀行に近い頼もしい存在がいます!!
2.日本政策金融公庫
緊急度:中 安心度:高 金利:低 難易度:中
私も創業の時もお世話になった先です。2番目にしましたが、最初に検討しても良い先かもです。
銀行などの一般的な融資とは違い、あらゆる状況に応じた様々な融資プランを用意してくれています。例えば、資金繰りの部分で言えば「セーフティーネット貸付」が該当するかと。
もちろん審査はありますが、銀行よりも融通を聞いてもらえます。さすがに前期より赤字が拡大していると厳しそうですが。。。
既に取引のある方は返済済みの額までは借りられる可能性が高いようです。新規の方は、無理のない返済額を考慮した水準になると思います。
ただし、銀行と同じく審査等で時間が必要です。2週間でギリギリ、できれば1ヶ月は見ておきたいところです。新規の時は特に。
他にも、廃業歴があっても借りられるプランがあるんですね。調べてて初めまして知りましたwwwなんてありがたい!!
詳しくは日本政策金融公庫のホームページでごらんください。会計士や税理士が公庫の担当者を知っていることもあるので聞いてみてください。
日本政策金融公庫ホームページ: https://www.jfc.go.jp/n/finance/shikingri.html
3.生命保険の契約者貸し付け
緊急度:高 安心度:高 金利:中 難易度:低
生命保険の中には解約返戻金を限度額として現金を貸してくれます。保険証券を用意して電話するだけで翌日~2、3営業日で振込してくれます。
毎月の返済も返済期限もありません。もし仮に返済しなくても保険金が下りる時に貸付額とその利息分が差し引かれるだけです。
金利は保険の種類によります。国債運用のごく一般的な死亡保険なら年利1%未満、外貨建ての運用型の保険(養老保険とか)は年利5%とかかかります。
なお、解約返戻金のない保険や低解約返戻金型の保険は、一定期間借りられない、または全く借りられないこともあります。また、ほとんどのケースで今まで支払った保険料よりかなり低い額しか借りられませんので予め確認しておきましょう。
ちなみに私は養老保険でがっつり借りました。米ドル建てで年利4.5%です。
こちらも参照ください→「入っておくべき生命保険」
4.手形割引・手形の裏書
緊急度:高 安心度:高 金利:中 難易度:高
「手形」とは約束手形のことです。古い業界で未だに使用されていて、私も1度しか見たことがありません。(約束手形とは?)
手形割引とは、金融業者に約束手形を買い取ってもらうことです。手数料として2~15%程度とられるので、額面から手数料を”割引き”した額を現金にすることができます。
仮に額面100万円の約束手形を手数料5%で買い取ってもらったら、95万円の現金ができるということです。割引率は手形の発行者の信用力と期日に寄ります。
裏書とは、約束手形の所有権を第3者に譲ることです。裏面に新しい所有者の名前を書くことからこの様に呼ばれていますが、もちろん所有権を譲るわけですから、それなりの対価をもらうことができます。
対価は現金でもらうこともできますし、仕入れ代金の支払いに充当することもできます。ただし、相手方が認めてくれればということになりますが。
持っている人は返済義務もなく即金に使えるので持ってるならば使いましょう。
これでもまだ序盤戦です。
まだまだ他にもあります。その2でご紹介していきます。
-
前の記事
国内大手の証券会社の内定を取るコツ 2020.04.28
-
次の記事
中小企業の資金繰り ~その2~ 2020.05.19
コメントを書く