弁護士が1円も債権回収できなかったのに、素人が全額回収できた話 第2話(全5話予定)

ゆっくり経済新聞社の裏編集長のつば二郎です。
売掛金が未回収となり、色んな人に振り回された私はついに法的手段に訴えます。果たして債権回収につなげられるのでしょうか。
第1話はこちら
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<今回の主な登場人物>
- 私 ・・・建機リースで独立。筆者。
- A氏・・・サラリーマン時代から付き合いのある東北地方の建設会社の社長。BやCの親分的存在。
- B氏・・・A氏からの紹介でサラリーマン時代から付き合いのある建設会社の社長。
- C氏・・・B氏からの紹介で取引が始まった建設系の自営業。Bの会社の元社員。一番の厄介者。
- 変人弁護士・・・私が使った弁護士。クセつよでした。
絶対に訴えてやる!!
話は前後しますが、この時、私はCに対してもアクションを起こしていました。
前回の串焼屋での話し合い以降、電話で返済を迫る中で、Cから連帯保証人を入れるという話が出てきました。で、差し出してきたのが、何と婿養子に出たCの息子。
「え、マジか!?絶対資産ないやつやん」と思いながらも、「さすがに子供に借金を負わせて逃げる親はいないか」と一般常識に当てはめて応じることにしました。(ってか例の土地の上の建物所有者を連帯保証人に入れろやって感じです)
話を聞くと、どうやら婿養子と会社を立ち上げて融資を借りるので、それで一部返済すると言うではないですか。融資の使途としては完全にアウト(バレたら訴訟確定)ですが、借りた金なのか儲けた金なのかはわからないからと言うので、それを当てにして返済を待つことにしたものの、結局融資は取れたようですが私への返済は一切ありませんでした。
何度目のウソだろう・・・まぁ期待はしてませんでしたが。
使えない弁護士たちと所有権移転の仮登記
完全にキレた私はついに弁護士を雇って戦うことにしました。
相談した弁護士は3人。依頼内容はとりあえず「Cの売掛金の現金回収とCが詐欺をしたという不法行為を認めさせること」。不法行為が成立すれば自己破産されても請求権は残ると踏んでの判断です。ついでにBのことについても相談しております。
- 弁A・・・眼鏡をかけた若手。過払い金請求で有名な事務所の所属。知り合いの紹介。以下眼鏡っこ弁護士。
- 弁B・・・プーさん。以前の私の勤め先の顧問弁護士で大学の先輩。債権回収実績あり。以下プーさん弁護士。
- 弁C・・・変人。中年のベンツ乗り。知り合いの紹介。以下変人弁護士。
最初に相談した眼鏡っこ弁護士の出した結論は、「ほぼ回収見込みないけど、支払督促を送って判決と同じ効力の書面をもらうくらいかな~。ウチなら20万くらいでやるよ~」とのこと。支払督促って何やねん!って思いながら辞去しました。
次に相談したのがプーさん弁護士。眼鏡っこ弁護士の時と同じ説明をしました。
プーさん弁護士「Cはほぼ回収見込みないけど、Bは機材の返還請求の裁判をして機材を引き揚げる感じかな~。Bを訴えるなら着手金70万と成功報酬12%かな~」
「おい、機材引き上げるくらいなら俺でもできるわ」と思い、二度とプーさん弁護士には相談しないことを心に誓いました。あ~あ、大学の先輩だったので期待してたのに(´・ω・`)
最後に相談した変人弁護士は、
変人弁護士「確かに回収見込みはほとんどないけどやってみますよ。着手金50万、成功報酬11%で。」
変人弁護士「Cの不法行為を認める書面も欲しい?了解です。」
だってさ。頼もしいお言葉が病みかけていた私の心に染み渡る。ということで、変人君に依頼をすることに決め、コンサルティング契約にハンコを押しました。「得べかりし利益」って何ぞや、まぁ回収したお金で成功報酬を払えばいいやと思いながら。
で、依頼から2ヶ月経たないくらいで変人君から準備ができたと連絡が来ました。
早速、Cと連帯保証人であるCの息子を呼び出しました。Cの家の近くにあるロビーのあるホテルに。
変人弁護士にも出張費を払って同席してもらい、①借金返済、②担保として例の土地(「聖人君主現る」の章参照)への「所有権移転の仮登記」、③借金の額と不法行為を認める旨の書面への署名捺印、の3点を要求しました。
なお、この時「抵当権」にしなかったのには訳がありますが、それはまた別の機会に書きます。
(鋭意作成中)
途中、「ケンカ売ってるんですか?ここでやりますか?」とか言われながらも、結局、負債額と不法行為を認める旨の書面に署名捺印をもらうことはできました。「迷惑かけてすんません。ちゃんと返します」という言葉と共に。一方、土地の仮登記については、親戚と相談しないといけないということで保留となり、交渉は弁護士に一任することにしました。
ここまでは良かったこの変人弁護士も、このあたりから実はポンコツ弁護士だったことが判明していきます。
まず、ホテルでの交渉から1、2ヶ月経った頃の話です。変人弁護士に土地の仮登記の交渉状況を電話で聞いてみたところ、「まだ何も進んでいないので状況聞いてみる」とのこと。その後折り返し電話が来ましたが、まだCが検討中とのことでした。
ん!?そういうのって自分から報告するもんじゃね?と思うのは私だけでしょうか。
また更に1、2ヶ月経ちましたが、一向に変人弁護士から連絡が来ません。しびれを切らしてまた私から電話をするも出ない。数日後にやっと電話がかかってきて、「まだ検討中とのことでした」と。
おいおい。あれから交渉してないだろ、これ!?
そして更に数か月が経過しました。
半年もほぼ放置状態の時点でポンコツですが、ここから更にポンコツぶりが発揮されていくことになります。
いよいよ裁判じゃー
いよいよ我慢の限界に達した私は、とりあえずいつでも差押ができるように判決を取っておこうと考え、裁判について変人弁護士に相談しました。BとCからは以前、裁判するならしてくれていいとの話を聞いていたのも裁判をする後押しとなりました。
私「いつでも差押できるようにしたいのですが…」
変人弁護士「じゃぁ裁判しますか。裁判フィーは・・・」
私「支払督促っていうのがあるらしいですが、それじゃダメですかね?」
変人弁護士「その手もありますが、反論されたら現地(相手の所在地)で裁判になるので出張費とかかかりますし、支払督促の作業フィーと裁判フィーの両方が発生します」
(うっ・・・この前(ホテルでのCとの交渉)出張費と日当で15万も払ったしな。)
私「たぶん反論されることはないと思いますが、万が一があり得るので東京で裁判やりたいです。ちなみにおいくらで?」
変人弁護士「支払督促フィーは20万円、裁判フィーは着手金50万円になります。本来成功報酬ももらうところですが、Cの案件は交渉成功の報酬があるのでそこはおまけしときます」(-□д□-)✧キラッ
ふぁっ( Д ) ⊙ ⊙!?
変な声出たわ。
(てめえ、散々放置しといて何言ってんだ!?ってかそもそも裁判も回収作業の一環じゃないのかよ。ってか、1円も回収できてないのに交渉成功の報酬って何だよ!?)
今となっては支払督促は自分でやればいいじゃんって思いますし、弁護士変えて現地の弁護士に依頼すればいいじゃん、って思うかもしれませんが、そう簡単に変えられないようです。内容によっては他人のやりかけの案件は受け付けてくれないようですし、改めて着手金を払う必要があります。そう、弁護士ガチャをミスると地獄なんです。
とは言え、他に妙案がなかった筆者は、50万円払って裁判をしてもらうことにしました。あと、売掛金回収が進まず塩漬け状態になっていたBに対しても裁判含めて債権回収をやってくれと伝えると、
変人弁護士「じゃぁBへの裁判の着手金はおまけして20万円にしときます。成功報酬は11%で。」(-□д□-)✧キラッ
と言うではないですか。
計算すると成功報酬は合計で数百万円になるが、渋々Cの時と同じ内容の契約を締結してBへの裁判もやってもらうことにしました。相変わらず「得べかりし利益」の意味を確認せず、回収したらその金で成功報酬を払えばいいやと思いながら。
1ヶ月ほどで準備が完了し、いよいよ裁判がはじまりました。
基本的には弁護士に丸投げなので裁判所に行く必要もないのですが、一回くらい見に行こうかと思ったものの、事前の予想通りBもCも欠席裁判となったので第一回口頭弁論だけで結審してしまいました。
しばらくして、Bの案件もCの案件もどちらも勝訴判決をもらったものの、やはり支払督促でよかったのではないかという釈然としない気持ちは残りました。まぁ債務名義をゲットすることと、相手へのプレッシャーという意味合いが強かったのでこれはこれで良しとします。
一向に返してこない。挙句の果てに・・・
さて、勝訴したものの当然ながらBもCも払ってくることはないので、改めてBとCに弁済の交渉をして欲しいと、件の変人弁護士に相談したが、ここで地獄のような思いをすることになった。
筆者「BとCに返済の催促をしてもらっていいですか?」
変人君「あぁ~回収業務ですね。回収できる見込みは低いですがやるとなると別料金です。」
はぁ!?Σ(゚□゚;)
変人君「回収業務もそれなりに手間なのでお金かかるんですよ。」
筆者「いやいや、お金の回収が目的だって私言いましたよね?あの金額はそれを含んだ金額じゃないんですか?ってか契約書にも『債権回収』って書いてるじゃないですか?」
変人君「いや、普通は裁判と回収は別で扱います。しかも『得べかり利益』とは裁判などで確定した債権額のことで、回収したお金のことではありません」(-□д□-)✧
(´・ω・`)知らんがな
筆者「えっ、じゃぁお金の回収はいくらかかるんですか?」
変人君「手付金と成功報酬をもらうことになりますね。」
筆者「いやぁこれ以上のお金はかけられないので無理ですね。」
変人君「しかも、今回勝訴して判決も確定してますので、成功報酬として数百万円頂戴することになります。」(-□д□-)✧
ふぁっ( Д ) ⊙ ⊙!?マジ!?えっ!?
筆者「いやいや、1円も回収できてないのに成功報酬って意味不明なんですが!?しかもこう言っては難ですが、予想通り欠席裁判になってほとんど労力かかってないですよね!?」
変人君「欠席裁判で簡単に終わるかどうかは結果論ですし、長期化する可能性だってあったわけですからね。私も時間とノウハウを使ってるのでそれ相応の金額を頂戴しなくてはなりません。まぁ回収できてないことは考慮すべき点ではありますが。」
筆者「いやホント勘弁してください。当初の説明やこの契約書の内容で素人がそこまで理解することはできませんよ。実際私は成功報酬は回収したお金から払えばいいと思ってるわけですし。正直あの裁判だってお金の回収の一環だと認識していたくらいです。」
変人君「まぁ仰ることも理解できなくはないので考慮しますね。」
何とか変人弁護士君の説得に成功し、成功報酬が請求されることはなくなりましたが、これを請求されていたら、もはや自分が破産しなきゃいけないとまで思いました。債権回収で弁護士使ったのに自分が破産って最早ギャグでしかない。
最近、いただき女子絡みの事件が起きてますが、お金を貸した側の気持ちも痛いほど理解できます。あの事件も弁護士使って債権回収を試みたようですが、1円も回収できないのに弁護士費用だけは発生するという理不尽があったのではないかと推察します。味方であるはずの弁護士がトドメを刺すという皮肉でしかないですね。
結局、訴訟の準備から1年弱かけても債権回収ができなかった私は、この後どうなるのでしょうか。
次回「第3話 恐れていたことが起きました」
お読みいただきありがとうございました。いかがだったでしょうか?ついには弁護士にまで振り回される事態となりました。
次回もお楽しみに。(第3話は鋭意作成中です)
今振り返ると、あぁすればよかった、こうすればよかった、というのが山ほどあります。タラレバと言われればそれまでですが、二度と使うかどうかわからないノウハウだけは蓄積されました。せっかくなのでその債権回収のノウハウをnoteで公開しております。よろしければこちらも是非ご覧ください。
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