全ての証券営業マンに贈る勇気の出る話 ~第1話 ビルオーナー一家〜

全ての証券営業マンに贈る勇気の出る話 ~第1話 ビルオーナー一家〜

こんばんは。元証券マンのマークjrです。

前回に続き、私の成功談で勇気を出してもらおう企画をお届けします。今回は、いよいよ私の成功談の初回です。

早速どうぞ!

第1話 ビルオーナー一家

今はコンプラやコスパを意識して営業スタイルも変わってきたようですが、なかなか成果が上がらなくて凹む方も多いのではないでしょうか?ですが、心配は無用です。私も同じ思いをしてきましたが、改善と継続の心で大口顧客を獲得できました。やり方次第では飛び込み営業は一番強力なスタイルだと思います。

そして今回の主役であるビルオーナー一家も飛び込みで獲得したお客様ですが、私の最初のお客様でもありました。

ダメ案件

雑居ビルのビルオーナーは多くのケースでそのビルに住んでいます。この日もいつも通り飛び込みをしていたところ、ビルオーナーの自宅と思しきフロアのピンポンを押すと中年の女性が出てきてくれました。

私「〇〇証券のマークjrです。この地域の担当になったのでご挨拶に伺いました」

女性「あいにく、昔の知り合いの付き合いでお宅の〇〇支店(私とは違う支店)と付き合いがあるんですが。どちらにしろ、今、家族がいないので今度の〇曜日に来てもらえますか」

わかりました。その日に改めます、と応えてその日は辞去しましたが、内心、「この案件はダメだ」と思っていました。なぜなら、銀行と違って一つの証券会社には一つしか口座を作ることができないので、会社のルール(?)で他の支店のお客様に口座を移管させることを営業マンが推奨することはNGとされていたからです。

ちなみに私が新卒で初めて営業に出た日にも飛び込み先の社長が口座を開いてくれると言ってくれましたが、ネット口座を持っていたため、同様のお断りをせざるを得なくなりました。(ネット口座より、営業マンつけた方が絶対お客様の稼働率も上がるので会社的にも良いはずなのですが)

お仏壇に手を合わせた

指定された日にまた伺うと、その女性と80代のご両親が同席してくれていました。おじいちゃんは車椅子で、どうやらこのおじいちゃんが意思決定者のようでした。

部屋に入ると和室にお仏壇が目に入りました。田舎の祖父母の家に行くと必ず最初にお仏壇に挨拶をしていたので、それとなく「お仏壇にご挨拶させてください」と伝え、合掌だけさせて頂きました。別に「気に入られよう」とかいうやましい気持ちはありませんでしたよwww

すると、「お若い方なのにしっかりしていらっしゃる」と言ってご一家に甚く感激され、すごく信用をして頂けたことを今でも覚えています。この頃の私はすごくしっかりしていたんですねwww

色々お話をして、最終的にはご家族全員の国債や株を私の支店に移管してくれることとなりました。前述のルールがあったので、口座のあった支店に移管の許可をもらったり、支店長に文句を言われたりしましたが、無事に移管ができました。

老人ホームへ通う日々

最終的にこちらのご一家には「相続に備えて、国債と売却と国債で運用している終身保険への加入」をご提案し、成約に至りましたが、それまでの道のりは意外と長いものでした。

基本的にごちらのご一家は、昔付き合いで国債を買っただけで、運用には興味がなかったため、口座移管をして色々提案してもほとんど稼働しませんでした。唯一株に興味があったのは件のおじいちゃんだけでした。

そこで私はご家族の承諾を得て、おじいちゃんが普段生活している老人ホームに定期的に足を運ぶことにしました。おじいちゃんも孫くらいの歳の私と話せるのが楽しかったのか、それともボケ防止だったのか、昔はああだったとか、あの株はよかったとか、そんな話をしに行っていました。

相続の話は臆さずする

口座移管から半年が経った頃、ご一家が揃っている時に私はこの様な提案をしました。

私「ひとつご提案なんですが、今、お二人(件のおじいちゃん夫婦)が国債を〇千万円持っていらっしゃいますが、万が一があった場合、すぐに現金化することができません。〇〇様(娘さん。最初に対応してくれた女性)のためにも、同じ国債運用の終身保険に切り替えませんか?」

おじいちゃん・おばあちゃん「そんな方法があるのね。ちょっと考えようか」

何かを変えることに対して慎重な姿勢ではありましたが、お仏壇に手を合わせ、老人ホームに通い続けた甲斐もあり、さらに3ヶ月を要して、ようやく成約しました。

それまで高齢の方に保険の話はリアリティがあり過ぎて提案することに躊躇を感じていました。

しかし、私の父もそうですが、やはり自分に万が一があった時に、子供に迷惑がかからないようにしたいと考えているものです。ですので、信頼関係を築いた上で、誠実に丁寧に話題にすればちゃんと聞いてくれるということを、この時感じることができた気がします。

第1話終わりです。次回は野球好きのおばあちゃん編です。