iDeCo(イデコ)って何?2017年以前に確定拠出年金を始めた人も必見!メリット・デメリットも元証券マンが解説します!

iDeCo(イデコ)って何?2017年以前に確定拠出年金を始めた人も必見!メリット・デメリットも元証券マンが解説します!

こんばんは。マークjrです。

年齢的なものもあるのでしょうか。最近私の周囲でも投資に縁もゆかりもない友人が投資をしてみたいと言っている友人がチラホラ出てきました。

勉強しないで投資することは、自動車教習所に行かないでいきなり車の運転をするようなものですので、ある程度勉強してから、最初は少額で始めることをオススメします。

さて、前置きが長くなりましたが、今日はiDeCo(個人型確定拠出年金)とは何かについてお話します!

そうそう、2017年1月に大幅な制度変更がされて手数料が安くなってますので、それ以前に確定拠出年金を始めた方々も必見です。

まずはiDeCoをざっくり解説

ざっくり言うと、「毎月積立投資をし、自分で売り買いの運用をして老後資金(退職金)をつくろう」というものです。

iDeCoはもともと確定拠出年金(個人型)という名前でしたが、2017年1月の制度変更の時に、英訳のDefined Contributionの略語と「個人」という意味のindividualを合体させてiDeCoという言葉が生まれました。

その始まりは、長引く不況で退職金が出る会社が減ったことを受け、広く国民に退職金として老後資金を用意させようという考えで2001年に始まりました。その一方で、資産運用の責任を個人に負担させることで企業の退職金積立の負担を軽減させ、また、投資によって株式市場の活性化を図るという目的もありました。政府が考えそうなことですね。

さて、iDeCoの「i」は個人型を意味していますが、この他に企業型(以下、企業DC)というのもあります。大企業や一部中小企業でも採用されていますが、投資額の半分を会社が出してくれるという何とも有難いシステムになってます!福利厚生の一環ですね。なお、転職した場合でも転職先に企業DCがあれば継続可能です。ない場合は原則iDeCoで続けることになります(終了もできますが、要件がかなり厳しいです)。

ここから先の説明は個人型(iDeCo)で書いてますが、企業DCも内容は基本的には同じです。

どうやって運用するのか

口座を開設したら、まずは毎月の投資額とどのファンド(iDeCo専用の投資信託)をどれくらいの配分で買うのかを決めます。すると毎月自動引き落としで投資をはじめてくれます。毎月の積立投資の開始です。

もし値下がりしそうなときは、ファンドを売却することで値下がりを防ぐことができます(厳密には、銀行預金のようなリザーブファンドと言うものを買うことになります)。もちろん他のファンドに乗り換えることも可能です。

値上がりが見込めそうになったら、また改めてどのファンドをどれくらいの配分で買うかを設定して投資を開始できます。この辺は株とかと同じですね。
また、毎月の投資についても、いつでも投資するファンドとその配分を変更することが可能です。

ちなみにFXや信用取引のように下落でもうかるファンド(ベア系のファンド)はありません。たぶんみんなが売りを仕掛けたら下落が加速しやすくなり、株式市場の下支えという政府の目的が果たせなくなるからでしょう。また、投資額(拠出額)の変更は年1回だけです。

ざっとこんな感じでしょうか。運用のコツはまた別の機会に。では次はメリットとデメリットです。

メリット

1.毎年の所得税、住民税を減らせる

国民年金か厚生年金か等で毎年の投資限度額が決まっていますが、投資した全額が所得控除となり、税金を減らすことができます。

2.運用益は、全額非課税!!

ぼろ儲けしても税金かかりませんwwwその代わり損しても損益通算はしてくれませんが…

3.企業DCなら投資額の半分が会社持ち

老後資金を作る目的なら使わない手はないですね。

4.ただの貯蓄も可能

運用が嫌いって人でも使えます。保管を目的とした元本確保型のファンドがあります。

5.売買手数料が無料

いつもの投資信託なら3%とかとられますが、iDeCoなら無料です。ただし、信託報酬と口座管理料はとられます。

デメリット

1.原則60歳まで引き出せない

生活保護とかにならない限り、中途解約はできません。iDeCoの目的が「老後資金の構築」だからです。なので結婚資金や子育て資金の用意には向いていません。

2.毎月手数料を取られる

残高があるだけで国民年金基金と事務委託先、運用会社の3者から何もしなくても毎月とられます。私がやってるりそなは毎月500円です。仮に40年運用したら24万円…結構とられるな…運用会社によってはこれが安いところもあるようです。

3.受け取り時や移管にも手数料がとられる

受け取り時にも毎回440円とかとられるらしい。受け取る期間やペースは後述します。仮に20年間毎月受け取りにしたら、105,600円か・・・なんかもったいない気がする。

4.運用口座の移管が面倒

1人一つの金融機関でしか口座が作れません。複数はできません。金融機関を変える場合は、会社によって運用商品が違うので一回ファンドを全部売却して、口座移管手続きをしてから移管先で新たにファンドを買うことになります。遺憾には1~2ヶ月くらいかかります。

5.運用商品が限られる

先程の移管でも話したように、一つの金融機関でしか運用できません。なので、例えばブラジルに投資したくてもその金融機関に商品がなければ投資できません。1日2日であっちこっちに投資はできません。

6.短期投資には向いてない

iDeCoは投資信託しか買えなないので、値段はその日の相場が閉まった後の1回しかつきません。なので、寄り付きや引け前での購入はできませんし、日中の騰落には全く対応できません。

受け取り時の税金に注意

税金がかかるのは受け取りをする時です。受け取り方によって以下の区分で課税されます。

  • 一括で受け取る・・・退職所得
  • 毎月や年1回年金として受け取る・・・雑所得(公的年金の扱い)
  • 一部を一括で受け取り、一部を毎年受け取る・・退職所得と雑所得

年金として受け取る場合、5年~20年の範囲で受け取り期間を設定できます。また、毎月受け取りや3ヶ月に一度、年に一度など受け取りペースも選べます。

退職所得の場合の税金

受取時に「退職所得の受給に関する申告書」を運用会社に提出した場合、以下の計算式で退職所得が計算され、損益通算や所得控除などを経て累進課税で源泉徴収されます(つまりは給料と同じ感じ)。

~計算式~

退職所得(所得税が課税される金額)=(退職金の収入-退職所得控除額)÷2

~退職所得控除額の計算式~

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 × 勤続年数
(80万円に満たない場合には、80万円)
※1年未満は繰上げ
20年超800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)
※1年未満は繰上げ
※参考:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

例えば通算の勤続年数が20年であれば、退職金から800万円を引いた額の半分が退職所得となるので、他に退職金がなければ800万円までは税金がかかりません。

ただし、「退職所得の受給に関する申告書」を出さなかった場合は上記の計算は行われず、もらった額から一律20%が源泉徴収されます。以下の記事もご参照ください。

https://white-phantom.com/?p=487

雑所得の場合の税金

iDeCoから受け取った年金は国民年金や厚生年金と同じ雑所得の中の公的年金の扱いとされ、公的年金の控除がされた後、他の所得と合算されて累進課税がされます。

iDeCoの始め方は?2017年以前に確定拠出年金を始めた人も要チェック

全国各地の金融機関で扱っていますし、ネット証券でも扱っています。直接金融機関の窓口に行ってもよいし、ホームページの申込ボタンから手続きを進めることも可能です。

私はりそな銀行を使っていますが、以前は違うところで運用していました。なぜ変えたかというと、会社員時代に社長から付き合いで入れと言われたというしょうもない理由です。企業型にするわけでもないですし、変えるのかなり手間なので私に何もメリットはないのですが、しつこいので仕方なく変更しました。かなり儲かっていた会社だったのに残念です。

つい愚痴が過ぎました。

そうそう、冒頭にも話しましたが、2017年1月にiDeCoに名称が変わった時に色々制度も変わったらしく、競争により手数料も安くなったみたいです。今回iDeCoを調べてて気づいたのですが、私のように旧制度のままだと手数料も割高なんですね。今このタイミングで移管のブランクができるのはちょっと嫌なので折を見て運用先変えようと思います。既存顧客大切にしてほしい。そもそも変わったことすら知らなかった

おっと、またまた愚痴が過ぎました。

ということで、自分の為にも運用会社の比較をまとめてみましたので、是非参考にしてください。特に私と同じように2017年以前に確定拠出年金を始めていたみなさんは必見です。

https://white-phantom.com/?p=489

やらない理由が見当たらない

私個人としてはみんな活用すべきだと思います。特に退職金がない会社の人はやるべきでしょう。

運用は嫌い!だけど老後資金は貯金したいって人にとっても活用できる制度です。普通なら税金を払った残りでしか貯金はできませんが、iDeCoなら税金払う前に経費扱いしてくれているようなものですので、同じ貯金でも現役時代は税金分お得です(正確には税金の繰り延べです。老後に受け取る際、額によっては課税対象になります)。

私もなんちゃって経営者なのでiDeCoを退職金代わりにするつもりです。毎年儲かりそうなら企業型への変更も検討しようと思います。

※注意

本記事は2021年2月7日時点の情報を基に作成しております。できるだけ最新情報にアップデートしますが、制度変更等で情報が古くなる可能性がございますので、ご了承ください。

運用のコツや税金対策はまた書きます!

これからも元証券マンの八転九起ブログをよろしくお願いします(o*。_。)oペコッ

ではまた!